京都東山・五条坂 五条陶坊にて
父、二代 勝尾青龍洞。
父の性格をあらわすエピソードを1つ。
作品の価格も尋ねずに、自宅へ届けて欲しいという依頼に、「非常に高価なものでしたから、そのまま持ち帰る心算で、直接持参しました。」と、東京の立派なお宅の玄関で父が挨拶をしたところ、ご主人が出て来られ、ご家族に「芸術家に自宅を教えるなと申しつけてあるのに何事だ!」と怒ってしまわれました。
「それならそのまま持ち帰りますから。」
父が帰りかけたところ、ご主人が
「悪気はなかったんや。まあ、一杯飲んで帰れ。」
そしてご縁は今も続き、もう、半世紀近く応援をしていただいて居ります。
陶芸家も政治家と同じで、組織の中で地位を築く意志と資金がなければ、作陶活動を続けることが困難な世界にいます。
父は、大学在学中に、日展に初入選以後、10回連続入選を期に、日展出品を取りやめ、初代青龍洞の伯父、堺の南宗寺の僧堂の師家・清隠老師の弟子・立花大亀老師に茶に係わる焼きものの指導を受け、連日の様に茶碗を焼いて大徳寺に通いました。
そして、私も父と一緒に、お茶碗を勉強してきました。
でも。
迫力が違うのか、技術だけではない、違う何か。それを早くみつけて、自己の個性ある焼き物を作りたいと思います。
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